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ボカロの道 深く分け入る~その弐~

こんにちは。

昨日からの続きになります。

ふとしたことから、ボカロの世界を垣間見てしまったもずくが、その世界の入り口で迷子になっている話。

ボカロの道 深く分け入る~その壱~

さて、少年は、疑り深い目で、しばらくもずくの動向を見守っていたが、決心したようにこう言った、

「わかりました、じゃあ、少し待ってください。ほかにも相談したい人がいるので…」

相談相手はわかっている、少年には、部活内に、安心してヲタ発動できる心の友がいるのである、しかも3人も!どうやら、彼ら4人組で、もずく先生に、本当にボカロ曲を紹介していいものかどうか、相談するつもりらしい。

なんだか、思ったよりもめんどくさいことになったようで焦るワタシ。そんなにおおごとでなくても、君がワタシに教えてくれればいいだけなのに、なぜ、渋る!?なぜ、そんなにも もったいぶる!?

「何曲か、これ聴いとけばオッケー、みたいな曲、教えてくれるだけでいいんだけど。今、ここに書いてくれればいいんだけどな~」

簡単なメモ帳を渡すワタシ。受け取らない少年。相変わらずずいぶんと渋い。

「じゃ、また今度頼むわ。」と言い残し、その場を去る。どうやら、彼らにとってはわたしのような先生づらしたオバハンは、門外漢らしい。声をかけたことを悔やむ。。。

それから数日。その間も国語の授業は頻繁にある、結構顔は合わせたが、奴からのアクションはない。どうやら、少し、避けているようにも思われる。こう言うのって心が重い。こういうときは、「あれ、どうなった?」って明るく言えばいいのだろうが、お互いのキャラ的にも、また立場的にも、ちょっとそういうの言いづらいし。。。

一週間ほど経っただろうか。

気まずい思いにもなんとなく慣れ、まあ、何事もなかったかのように振る舞う毎日を過ごしていたある日の放課後。

くだんの少年と、心の友の、あわせて4人組が職員室にやってきた。

「せんせ~い…」

「あれ!?どうしたの、おそろいで…」

「例の、ボカロ曲の件、時間かかってすみませんでした。4人で話し合った結果、ようやく出来上がりましたので、これ、上げます。」

…と、差し出された2枚組のA4用紙…(す、数学のノート、ちぎったんだね…)

そこには、老眼入ってるワタシには、そうとうこたえる、9フォントサイズの几帳面な文字で、ぎっしりとしたためられた、おすすめのボカロ曲大全集が!!!

しかも、相当念入りにカテゴリー分けしてあり、初級、中級、上級、難解レベル、王道系、サブカル系、かわいい系、ホラー系、アニソン風、J-POP風、この順番で聴け、同じ作曲家(ボカロPという)…という風に、丁寧にジャンル分けまでされているではありませんか!!!

そう、このおすすめ大全集を作るために、彼らは放課後の貴重な時間を使って、話し合いをすすめてくれていたのです。

中学校は面倒なところです。ほとんど無駄骨的なことも多く、貴重な時間のロスも多く、また、すぐには結果の出ないことも多い。

でも、こういうのって、やっぱり、中学校ならではの、醍醐味ですよね。

一年に何回か、こんな風にいいことがあります。

だから、辞めずに済んでるのかな?
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プロフィール

もずくねえさん

Author:もずくねえさん
地方の中学校で教師をしています。平生は決して表にさらすことのない、本音の熱い部分を、お届けします。(真面目バーション)

要するに、普段、柄でもない先生ヅラしているせいでたまりにたまってるストレスの解消のため、精神の安寧のため、ここに好きなこと書かせてください的な。(本音)

あ~、清少納言の気持ち、わかるわ~納言ちゃんもたまってたんだろうな~

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