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学園ドラマのようなことは、本当にあるのか?

こんにちは。

先日の記事に対して、ありがたいコメントを頂きました。

息子の学級が崩壊したときの話。

コメントはどんなときもありがたく拝見して、自分の糧とさせて頂いています。

が、ちょっとコメント返信だけでは勿体ないインスパイアを得て、記事にしてみようと思った次第。

よめちゃん+様から頂いたコメントはこうです。(一部抜粋)

「最近のドラマ、今シーズンも学校が舞台なものがたくさんあり、また結構共通を感じるのが、あまり問題を起こしたくなくて気になる生徒に対して動きたがらない先生(積極的に動こうとする先生に反論したり)と、無視できず行動にうつす先生がいるという部分です。
実際は、どこまでリアルなんでしょうか☆」



私は、ドラマを全く見ないので、学園ドラマがどんなものなのか、さっぱり見当も付かないのですが。

学園ドラマと言えば、私の中では、「3年B組金八先生」で終わってますので、最近のトレンドはわかりません。

ただ、コメントにあるような

「動きたがらない先生と無視できず行動に移す先生」

という対立構造は、少なくとも中学校の生徒指導においては

ない

と断言して良いと思います。



そもそも、学校では、どんな時に生徒指導してると思いますか?

答え。

エブリデイ・エブリタイム

例えば朝。

学級に上がってみると、一部の生徒がまだカバンの片付けも出来ずにウロウロしている。

聞けば、部活の朝練の片付け担当の生徒が仕事をサボり、代わりにやっていて遅くなってしまったという。

はい、もうここ、いろんな意味で生徒指導です。

①決められた時間にきちんと座っていない。
②決められた時間までに決められた方法で荷物の整理が出来ていない。
③部活の朝練が、学級朝会に影響している。
④部活の片付け担当、誰や?

①②について

一般の方からすると、

「学校でなんでもかんでも、いちいちルールを決めてそれを守らせようとするからいけないのだ。だいたい時間になったら座ってれば良いじゃないか、荷物の片付け方なんて好きにさせてやれば。」

と言うのが本音じゃないかと。

そうなんです。

大人の世界では、その辺りは自主性に任されているところですよね。

学校のようにチャイムがあるわけじゃありませんから、「10時に。」と約束したって

実際のところは5分遅れたり、ちょっと早まったり。

そんなもんです。

荷物の片付け方についても、自分のロッカーの中や机の上は、自分の好きなようにカスタマイズして、好きなように使っているというのが実情でしょう。

ところが、学校では、こういうところに厳格なルールがあります。

何でなんでしょう?

理由は簡単。

「ルールに基づいて生活できない奴は、自主性に任せてもちゃんと出来ない。」

からです。

義務教育って、社会生活を円滑に送るための準備期間ですから、子供達が大人になってからちゃんと自主性をもって生活できるように、まずはきちんとルールを守らせるところから始まるんです。

③④は、部活の顧問の指導の範疇です。

朝練習をしても良いんですが、それはあくまでも通常の学校生活に影響ない範囲で行われるべきで、

今回のように朝会に遅刻しては、いけません。

逆に言えば、遅刻の理由を「朝練」と言ってはいけない、ということです。

1年生はその辺りの事情が分りませんから、つい、本当のこと言っちゃうんですね。

さらに、今回の遅刻は、片付け当番がどうやら片付けをせずに帰ってしまったことが原因らしいので、

その生徒の聞き取りや、部活での指導もお願いしなければなりません。



…と、このように、学校生活を営む上では、こんな細かい生徒指導がてんこ盛りなんです。

生徒指導って、不良生徒がたばこ吸ったり人殴ったり暴れたりして

それを勇気ある若くてイケメンで人気抜群の先生が

「なにやってんだ~~ばっきゃろ~~~!!」

って、熱く指導することじゃなくて、

まさに日常の、こんな細々したルール違反や不正な態度をこんこんと説諭することなんです。



よめちゃん+様の言われるドラマがどんな感じなのか、どうも分らないので恐縮なんですが、どんな生徒指導も、基本はチームプレーです。

例に挙げたような、日常の何気ない指導でさえも、

①②については学年主任に必ず報告します。

学年の教員にも雑談に交えて必ず言っておきます。

そうやって、生徒の動きを細かく報告することで、他の先生方が私の代わりに見ていてくれる機会が増えます。

③④についても、部活の顧問との連携で、生徒指導が行われます。

④なんかは、もしかすると、部活の中で、同学年の上下関係が隠れている場合もありますから、

部活の顧問としては、学級担から報告してもらうとありがたい案件だと思います。

上下関係があるな…と思っても、何も起きてないときはなかなか突っ込みづらいですから、

④のような事件は格好の聞き取りチャンスとなります。

こういう細かいことの積み重ねで、学校って動いてるんですね。



「3年B組金八先生」では、大きな事件が次から次へと起き、その度に、


一生懸命指導する金八先生とその仲間対コトを荒立てたくない教頭先生とその取り巻き

みたいな構図があったように思うのですが

実際の生徒指導は、

大きなコトが起きてからでは遅い

というのが実態です。

例に挙げた④のような

「部活の片付け放棄男」

も、知らずに放置すれば、大きないじめ事件に発展しないとも限りません。

そういう大きな事件になる前に、

日頃からの小さな生徒指導の積み重ねがあります。



大事なことは、

「小さな生徒指導は、サボると教師である自分に返ってくる。」

ということです。

ドラマのように、「動きたくないから動かない」を決め込んでいると

結果的には生徒になめられ馬鹿にされ、授業が成立しなくなったり学級が荒れ果てたりします。

生徒指導とは大きな声で怒鳴り散らすことではなく

物事のルールや有り様を「教えてやる」作業ですから

別に女だろうが老人だろうが若者だろうが、出来ないことはありません。

まれにこれをサボって学級崩壊や授業崩壊を招く教員がいることにはいますが、

学校はチームプレーなので、

崩壊しきる前に

何らかの手が入るのが普通です。



熱く指導する若くてイケメンの先生…

かっこいいけど、それ、幻想です。

そんなスタンドプレー、

学校では迷惑ですから。






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息子の学級が崩壊したときの話。

こんにちは。

突然ですが、私には二人、息子がいます。

二人のうちの一人は、すでに独り立ちして、私と同じ業界で、私と同じ教科を教えています。

こいつが小学生の頃、保護者の立場で学級崩壊を経験しました。

今日はその時にとても印象に残った出来事について書いてみたいと思います。


その先生は、決して悪い人ではありませんでした。

多分、年の頃30代後半くらいじゃなかったでしょうか。

穏やかな男性教師で、ものの分った雰囲気の漂う上品な人でした。


息子の通う小学校に転勤で来られて、すぐに息子の担任に。

それまで、女性教師にばかり教わっていた息子は、初の男性教師と言うことで、大変喜んでおりました。

ところが。

この先生にいけないところは何もないのに、女子達がこの先生に懐かなかった。

理由は…子供に言わせると、

「女子が、キモイ、キモイって、うるさいんよ、お母さん。」

…とのこと。

よくある、高学年女子特有の、反抗期とでもいいましょうか。

小学校高学年の女子は、身体もぐっと成長して、心も一気に女性らしく変貌するときなのでしょう、

転勤してきたばかりの30代の男性教師に対して、ことのほか過剰に反応したらしく、

さっぱり言うことを聞かなかったらしい。

最初、男子はそうでもなかったらしいのですが、女子の徹底抗戦の様子をみるにつけ、次第に先生に反抗するようになったらしく。

「クラスの中ぐちゃぐちゃなんよ、お母さん。」

と、息子はよく言っておりました。

具体的にどんなことが起こっているのかと聞くと。

①授業中なのに私語をする。

②授業中手紙を回す。(女子のみ)

③教科書を読む時、教科書を逆さまにもって下から読む。(器用ですね…)

④体育の時の集合指示など、全く聞かない。

⑤習字の時間に半紙に落書きをする。

などなど…。

まあ、よくあることと言えば、よくあることなんですが、

これを学級の大半の子がやっているという事実。

確かに「学級はぐちゃぐちゃ」という状態に突入しているようです。

…そうはいっても、なんだかんだで半年くらい経ったある日。

息子が興奮して言いました。

「お母さん、大変。今日、学校で先生がぶち切れたよ!!」

どうやら、大切にしているものを、女子児童に馬鹿にされたらしい。

その先生は、交換留学のような形で一年間、海外に赴任したことがあるそうで、

その時の思い出の品を、児童との切れた関係を結び直す意味も込めて持ってこられたらしい。

ところが、子供の方には、そんな教師の思いも、どれだけ大切なものかもわかりませんから、

手先でもてあそんだあげく、「キモイ」の一言で片付けたとか。。。

その心ない言動に、腹を立ててしまったのでしょう。

聞くだけで切ない話です。

自分がその先生の立場だったら、きっと、同じだけ腹を立てたに違いありません。



ところが、この話は意外な方向に転がりました。

なんと、先生に対して、

「些細なことで腹を立ててあんまりだ」
「普段から、ちゃんと指導してくれていない」

というふうに、保護者から突き上げを食らうことになってしまったのです。

保護者の声に突き動かされる形で、ほどなくして保護者会が開かれました。

たくさんの保護者が、夜の学級に集まり、先生と話し合うことになりました。

ずいぶん昔のことなので、私自身の記憶もさだかではないのですが、確か、その先生以外の学校関係者はいませんでした。

学年主任も管理職もいませんでした。

その先生と、われわれ保護者20人弱といったところでしょうか。

言いたいことがある女子児童の保護者が、怒り心頭という雰囲気で、学級の先頭に陣取っています。

後ろの方には、われわれ傍観者のような保護者がひっそりと寄り添って座っていました。

何故か、スクリーンの準備がしてあって、なにかビデオのようなものを見せられる感じでした。

会が始まって、先生が、「自分が交換留学していたときのビデオを見てほしい。」

と言われ、他愛ない外国の風景や学校の様子が映し出されました。

時間にして30分か、もう少し長かったかもしれません。

保護者も暇じゃありませんから、話し合いがいつになったら開かれるのか、ビデオ見せられながら、モヤモヤ。

ようやくビデオが終わったときは、最初よりも場の雰囲気は殺伐とし、

「なんでこんなもんみせられるんや」

と言う空気が充満していました。

保護者対応の場数はそれなりに踏んでいるもずくでも、とても声の上げられる雰囲気ではありません。

文句を言いたくて来ている保護者達には、最初のビデオが逆効果だったのは明らかで…。

そんな中、学級の現状についての話し合いが始まりました。

案の定、最前列に陣取った、一団からの、きついきつい言葉の数々。

そこまで言うか…的な、突き上げに、先生もタジタジ。

私はヒヤヒヤ。

自分がこの立場になったら、たまりません。

私は保護者として参加しているはずなのに、

目線は完全に教員目線。



最後の最後に、一人ずつ感想を述べようと言うことになりました。

私の順番も回ってきましたが、まあ、当たり障りのないことをいって、今後ともよろしく頼む的な話でお茶を濁しました。

と、そのとき。

それまで教室の片隅で静かに話を聞いていた、地味目なお母さんが立ち上がりました。

控えめに自分の自己紹介をした後、静かに語り出したのです。

「私は女の子の母親ですが、

先生のことを悪い教師だと思ったことはないし、

本当によくして頂いていると感謝しています。

今日の話の中には、先生がきちんと授業をしてくれないとか

私語を止めさせられないとか言う話がたくさん出ていたけれど、

それって、全て先生の責任なのでしょうか。

むしろ、自分たちの子供一人一人が気をつけるべきことなのではないでしょうか。

自分の子供を叱りもしないで、先生にだけ責任を押しつけ、

この場で文句だけ言ったって、学級は決して良くなりません。

ここで話し合うべきなのは、先生をどうやってサポートするかと言うことではないのでしょうか。

私たち保護者が先生と協力することが大切だという話し合いにならないと、悲しすぎます。」




私は、自分が恥ずかしくなりました。

こんなに真剣に、ストレートに、正論を言える人がいる。

私は気づいていながら、結局その場では何一つ言えなかった。

素晴らしい保護者さんでした。

その方の言葉で、場の雰囲気は一気に変わり、

最前列に陣取っていた保護者達も立場なし…という感じに。

それまでことの成り行きをじっと黙って見守っていた、おとなしめの保護者達が次々賛同する形で、

先生を応援して、その会は終了しました。


帰って息子に聞いてみると、その保護者さんの娘さんは、よく出来たお嬢さんらしく、

さすが娘のできが良いと、親もできが良い

と、当たり前のことに感心したものでございます。


時が経ち、中学生になって、あのお母さんを探したけれど、

もうお会いすることはありませんでした。

私学受験をして、

当地でも最難関と言われるお嬢様学校へ入学されたという。




そっか…こうやって、優秀な保護者が一人、また一人と消えていくのね…

と、妙に納得した出来事でした。







プロフィール

もずくねえさん

Author:もずくねえさん
地方の中学校で教師をしています。平生は決して表にさらすことのない、本音の熱い部分を、お届けします。(真面目バーション)

要するに、普段、柄でもない先生ヅラしているせいでたまりにたまってるストレスの解消のため、精神の安寧のため、ここに好きなこと書かせてください的な。(本音)

あ~、清少納言の気持ち、わかるわ~納言ちゃんもたまってたんだろうな~

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